【名護屋城】というと、「愛知県の名古屋にあるお城かな?」と思う人も多いようです。
愛知県名古屋市になるお城は「尾張 名古屋城」です。
名護屋城は佐賀県唐津市(肥前)に、豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点として1991年に築城しました。
翌年から始まる文禄の役(1592年~1593年)から慶長の役(1597年~1598年)の7年間にわたり、この地に20万人を超える人々が集まったと言われています。
そしてここに集まった諸大名たちが凄かった!
まさに戦国武将オールスターズ!
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名護屋城周辺には130ヵ所以上の陣跡が確認されています。
徳川家康や伊達政宗や真田昌幸なんて名前もあって、これだけでもテンション上がります。
とにかく名だたる戦国武将たちが、一同に揃っているのはこのタイミングでしか見れませんよね。
戦国武将ファンならテンションMAXとなる名護屋城ですが、現在はこんな感じです。
城跡はみる影もありません。
秀吉の死後は廃城となってしまい、1608年に寺沢広高が唐津城を築城するにあたり材料として使われてしまったのです。
なんか儚いですよね。
本丸御殿があった後には、このような石碑が建てられています。
そしてその石碑から海側に進むと、天守台があります。
この天守台から望む景色がコチラ。
豊臣秀吉も1年間は名護屋城にいたということなので、この景色を同じように見ていたかと思うと歴史の趣を感じずにはいられません。
目の前に広がる海の向こう側に、秀吉は何を思い、何を感じていたのか。
歴史に名を残す諸大名たちも過酷な文禄・慶長の役によって、いろいろな思いを抱え激動の時代を迎えることになります。
秀吉の死によって、存在意義を失ってしまった名護屋城。
その儚さが随所で感じられる名護屋城跡は、その空気感を味わって欲しい歴史スポットです。
名護屋城跡の好きなスポット(画像あり)
本丸跡に辿り着く前に、一瞬空気感が変わる場所があります。
それがコチラ。
一瞬タイムスリップしたような空間
三の丸から本丸へと続く小道です。
木陰の中を歩くからか、空気がスッと涼しくなりタイムスリップしたような感じになります。
見渡せる景色は天守台跡が最高ですが、歴史に思いを馳せるならば三の丸付近の木陰も何気にオススメです。
太閤が睨みし海の霞かな by月斗
青木月斗が昭和8年に名護屋城を訪れた際に詠んだ句が書かれた句碑です。
後ろに見えるのは、呼子大橋です。
本当に最高の眺めです。
本丸跡から天守台跡を見た図
本丸跡の位置から天守台跡の方向を見たらこんな感じです。
ちなみに天守閣から見た本丸跡地はこんな感じ。
400年以上も前に太閤もこの地に立って、この広い空を眺めていたかと思ったりするのが好きです。
玄海原発も見えます
歴史とは全然関係ないですが、天守台跡からは玄海原発も見えます。
原発を見つけた時は、歴史を満喫している気分が一瞬にして現実に引き戻されました。
さまざまな課題を抱えたまま、原発は再稼働を目指してコトが進んでいます。
現代日本のエネルギー問題も、遠い未来においてはどのような歴史として語られているのでしょうか。
利権やしがらみで物事を進めるのではなく、将来の日本にとって最善の方法を選択できるようにしたいです。
佐賀県立名護屋城博物館も面白い!
名護屋城跡に併設されている佐賀県立名護屋城博物館も見応え充分です。
博物館の常設展示場では、原始・古代から近現代にいたる日本列島と朝鮮半島との交流の歴史が年代順に展示されています。
個人的には興味のあった文禄・慶長の役あたりが一番の見所でした。
特に朝鮮半島での過酷な進撃は、その悲惨なありさまがリアルに書かれていました。
さらにテンションがあがったのは、1/10スケールの安宅船(あたけぶね)が展示されていることです。
安宅船といえば、ゲームソフト「信長の野望」でも活躍する戦艦です。
1/10とはいえ、リアルに再現された安宅船にはちょっと感動しました。
航海用レーダーも無線もない時代に、この船で大海を航海していたなんてやっぱり無謀なことですよね。
陣跡もテンションあげあげ↑
名護屋城跡近辺には、諸大名の陣屋跡地が保存されています。
約130の陣跡が確認されていて、保存・整備がおこなわれています。
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上杉景勝・加藤清正・伊達政宗・徳川家康・島津義弘など、23箇所の陣跡が特別史跡の指定を受けています。
私はまだ陣跡は散策していませんので、これからの楽しみにしているところです。
名護屋城後を見学したあとに車を走らせていると、道路わきにこのような立て看板を発見しました。
この二人の陣跡が近いのも、何かのご縁でしょうか。
結城秀康も時代の流れが少し違えば、徳川二代目将軍になっていたかもしれません。
そんな歴史のあやを思い馳せながら、時間を過ごす贅沢が楽しめるのが名護屋城跡地と陣跡です。
まだまだ足を運びたくなる名護屋城跡です。
時間をかけてゆっくりと、歴史を見聞きしていきたいと思います。